暑い夏は、ツルっとさっぱり!お蕎麦ライフ。

生きると云ふこと

引っ越しや年越しなどの行事ごとに合わせて食べる、「蕎麦」。食欲が減退しがちな夏の時期でも、寒~い冬でものど越しよく食べられる蕎麦がいっそうおいしく感じられます。 そんなお蕎麦のダイエットや美容効果とは?

 

駅そばっておいしいね

 

大阪在住の筆者は、東西あちこちへと出張で出かけましたが、電車の待ち時間の僅かのあいだに食べる駅そばが大好きでした。地方の名店蕎麦屋もいいんですが、そこそこおいしくて安いのが何となくうれしい。

 

蕎麦が初めて日本の文献に登場したのは、797年に完成した「続日本紀」。

 

専門店から駅そばまでおいしい店がたくさんあるのが嬉しいお蕎麦、意外にも国内で消費される蕎麦粉の約7割が外国産(中国など)で、国産は約3割。近年はそばの国内収穫量が減少しており、「国産」が希少な存在になりつつあるようです。

「蕎麦(そば)」は、タデ科ソバ属に分類される植物“ソバ”の実からつくられる食べ物で、肥沃ではない土地でもどんどん生育してくれる力強さがあります。原産地が「中国南西部の雲南省からヒマラヤ山脈あたり」といわれていることから、その後日本に伝わったと考えられています。

奈良時代には、一般職として蕎麦を食べる習慣があったようですね。

しかし現在のような形ではなく、多めの水で柔らかく煮た「お粥」や練ってつくる「蕎麦がき」、水で溶いて焼いた「蕎麦焼き」などにして食べていたそうです。

現在のように麺として食べるようになったのは江戸時代のことで、蕎麦粉を練ったものを麺状に切って食べる「蕎麦切り」という新しいスタイルが登場しました。江戸時代末期には3000以上のお蕎麦屋さんがあったといわれています。今でも、関東にお蕎麦屋さんが多いのもその名残でしょうか。

蕎麦粉だけを使用して打った「十割(じゅうわり)蕎麦」、つなぎに小麦粉を二割混ぜた「二八(にはち)蕎麦」などその食感にの好みにより作り方を変えていたようです。

十割蕎麦の最大の魅力は、何といってもその風味の高さで、麺に練り込まれたそばの実の食感と弾力、その上品な香りは、十割ならではといえるでしょう。

同じく代表的な製法である二八蕎麦は、小麦粉が仕立て上げるツルっとした小気味よいのど越しとコシの強さが特徴でしょう。十割に比べて、「食べやすい蕎麦」といえそうです。

 

大阪にはきつねそばが存在しない?

 

一般的に、関東エリアでは油揚げがのった蕎麦を「きつねそば」、揚げ玉が入った蕎麦を「たぬきそば」とよびます。しかし関西エリアでは、揚げ玉を入れた蕎麦を「天かすそば」、油揚げがのった蕎麦を「たぬき(そば)」とよび、「きつね」と名の付くものはお揚げさんの入ったうどんの事です。。

昼夜の寒暖差が大きい気候は蕎麦づくりに適しており、香りや味の強い締まったそばの実が採れるとされており、「蕎麦どころ」と評される地域は冷涼な気候の日本海側や中部・東北の山間部などに多く点在しています。

 

地域ごとの郷土蕎麦の特徴

 

じっくり時間をかけてつくる「津軽そば」  

一昼夜水に浸した大豆をつなぎに使い、出汁にカタクチイワシなどの焼き干しを使用する津軽そば。保存性が高く、コシの強さもあり、大豆の甘味を感じることができます。つくる手間ひまを考えると青森県でも提供する店舗が減っているのだそうです。

 

もてなしがルーツの「わんこそば」

 

こんなには無理だ

客人をもてなすためにゆで立ての蕎麦を少しずつ椀に盛って出したことがルーツといわれている「わんこそば」。岩手県の郷土料理です。

経験された方はご存知だと思いますが、食べては入れ、食べては入れの繰り返しで、椀のふたをする(満腹の合図)まで入れ続けます。早く食べる必要はありません、ゆっくりと味わって食べてもいいんです。

 

布海苔の香りが食欲をそそる「へぎそば」

 

へぎ(片木)とよばれる剥ぎ板でつくった四角い器にのせて食べる、新潟県魚沼地方発祥の蕎麦です。

布海苔(ふのり)をつなぎに使うのがへぎそばの特徴で、強いコシと布海苔の香りが何とも言えません。新潟県十日町市にはへぎそばを出す店舗がたくさんありますが、薬味にはからしを使うところが多いそうです。まあ、個人の好みですけど。

 

風味豊かな二八蕎麦「戸隠そば」

 

長野県北部の旧戸隠村一帯(現在の長野市)辺りでつくられる蕎麦です。甘皮が付いたままのそばの実を石臼で挽く「挽きぐるみ」の蕎麦粉で打つ二八蕎麦が一般的、薬味には辛みが強い戸隠大根が使われています。

竹ざるの上に「U」の字のように蕎麦を丸く巻いてのせる「ぼっち盛り」とよばれる独特の盛り方です。

 

殻ごと使った黒めの麺が特徴の「出雲そば」

 

島根県出雲地方で食べられる郷土蕎麦で、江戸時代初期に信濃(現在の長野県)から職人をよび、風土に合わせて改良されたもの。そばの実を殻ごと挽いた蕎麦粉を使うので麺の色は黒っぽく香りも高いのが特徴で、器の蕎麦に、つゆと薬味を直接かけて食べます。

 

そばの収穫量が最も多い都道府県

 

2018年度収穫量で比較すると、北海道、長野県、茨城県、福島県、栃木県の順ととなります。

北海道は国産そばの約4割 (約1.1万トン) を占めて他を圧倒しています。残る4県も収穫量は1,000トン超えており、近畿以西で収穫量が1,000トンを超えている府県はありません、やはり「蕎麦どころは冷涼な地域に多い」ようです。
しかし、近年はそばの国内収穫量が減少しており、「国産」が希少な存在になりつつあるようで、残念ですね。

 

高級店はちょっと・・・。

 

「老舗の蕎麦屋はハードルが高い」「高級店ではなく手軽に行けるお店でおいしい蕎麦を食べたい」という方は多いとおもいます。筆者もそんな一人で、出張の途中で駅そばのパターンがほとんどですね。ただ、近頃は麺も出汁も結構おいしい蕎麦を提供している駅中・駅近の店がいくつもあるのがありがたいですね。

 

兵庫・豊岡の名物料理「出石そば」

 

兵庫県豊岡市出石は、知る人ぞ知る「出石そば」という 名物料理が あります。「但馬の小京都」とも呼ばれているこの町は、その風情ある街並みにたくさんのお蕎麦屋さんが軒を連ねています。

 

出石のお蕎麦は「皿蕎麦」と言われる独特な食べ方に特徴があり、これも幕末ごろから始まった風習だそうで、椀子そばのお皿版という感じに、数口ぶんの少量のお蕎麦が小皿に乗せられて供されます。5皿でだいたい標準の1人前の量になるので、お店で皿そばを頼むと、どこでも5皿のお蕎麦が出てきます。 まあ、全部の店舗ではありません、ふつうにざるや丼のそばもありますのでご安心を。

 

ダイエットや美容効果もあり

 

蕎麦は基本炭水化物ですが、アミノ酸スコアが非常に高く、しかも良質なミネラルやビタミンを豊富に含むので、食べるだけで体の脂肪を燃焼させ易くなり、総じてダイエット効果が非常に高い食べ物です。

 

注目の成分はルチン、

ルチンはアンチエイジング効果があることで注目されている「ポリフェノール」の一種で、毛細血管を強くし、脳内出血や動脈硬化、高血圧の予防に効果があります。ビタミンCの吸収を促進するため美容にもとても良いそうです。

シミやシワ、そばかすを予防し、肌を生き生きとさせるコラーゲンの生成に関与するビタミンCの働きを助けるため、そばを食べた後にビタミンCを含んだみかんやいちごなどを食べるのもよいそうです。

ご飯の4倍のビタミンB2が含まれ 、このビタミンB2は、皮膚や粘膜を正常に保つことで美肌効果があるそうです。

とは言え、アレルゲンとなりやすい食品ですので、特にお子様が初めて食べる時は慎重に確認しながら食することをお勧めします。

食物繊維も豊富で便秘解消や高血圧やガンを予防する効果も期待でき、 昔の修行僧は、ソバ粉を携帯食にしていたそうですよ。

そばは、GI値が低い食物です。
お米やうどんなど GI値が高い食物は食後に血糖値が急激に上昇し、インシュリンの分泌が活発になり、このインシュリンが脂肪を作り体内にため込むため太る原因になりとのことで、GI値の低いお蕎麦は、太りやすい人には最適なんですね。

 

冷やしでも、熱々でも私はこれが一番

1日1食ををそばに置き換えるだけでも、効果は期待できます。
ただし、天ぷらそばは選択外です。鴨蕎麦もね。
大根おろしやわかめ、山菜などがいいでしょう、筆者は山かけ(とろろ)一番です。あのつるつる感がたまらないですね。
それから、できれば温かいそばをゆっくりと食べることでしょうか、あまりお腹を冷やさない方がいいかもしれません。

 

筆者の独断と偏見

 

蕎麦にはやたらとうんちくがあるようですね。

例えば・・・

  • 「通はコワイのが好き」蕎麦のタンパク質は水溶性のものが多いので、茹でたらなるべく早く食べないと味が落ちる。なのでやや硬め(こわい)の蕎麦がよい 。
  • 「つゆは半分つける」蕎麦をつゆにつけるときはお好みで良いのだが、本当のそば好きは蕎麦をつゆに半分ほどつけて(又は、つゆをつけない)食べる。(3分の1という人もいる)
  • 「最初に一本」蕎麦を食べるときは最初に一本だけ口に含み、そば自体の味を確かめてから。
  • 「わさびは直接蕎麦に」ワサビをつけるときは、つゆに入れずせいろに盛ってあるそば自体に直接つける。
  • 「そば湯を飲む」蕎麦を食べた後は必ず蕎麦湯を飲んでほしい。

本人がうまいと思う食べ方でいいじゃん・・というのが筆者の持論。

そんなんでは、そばの本当の良さはわからない・・、フ~ン 一通りやってみたけど、やっぱり自分の食べ方が一番良かった。

 

 

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