家族同様に暮らすペットたち、もし災害で緊急避難の時に 飼い主はペットをどうしたらいいのでしょうか。
あの熊本地震の際の避難所ではペット連れの人とそうでない人との間のトラブルなど混乱があったため、環境省がこの春、新たなガイドラインを出したばかりです。
家族同様のペットを、見捨てる訳にはいかない。
これによると原則は「自助」、つまり災害時にペットの安全を確保するのは飼い主の責任となっていて、避難が必要な状況になったら基本は「同行避難」することとしています。
「同行避難」と言うのは一緒に避難所に行けばいいということなのでしょうか?
必ずしもそうでは限りません。一緒に避難所に入るのは「同伴避難」と呼ばれています。
「同行避難」 と 「同伴避難」 は違う。
避難所でのペットの扱いは自治体や管理者の判断に委ねられているため、事前に定められたルールはない所が多いようです。
「同行避難」というのはあくまで「飼い主が自らの安全を確保した上でペットも安全な所につれて行く」という意味で、その行き先は、避難所に入れるかもしれないが、ペットは人と分かれて外に置く形かもしれないし、避難所では受け入れてもらえず知り合いに預けたりする場合も含んでいます。
例えば熊本地震の10日ほど後の益城町のある避難所では、NPOの支援で屋外にケージが並べられ、そこにペットを入れて中で暮らしている飼い主が世話をしに来る屋外別居の形でした。
恵まれた状況では飼い主も安心ですが、ペットはお断りという避難所もあり、それで避難所に入るのをあきらめて車中泊をしたり、壊れかけた自宅に留まる方もいたそうです。
人命が最優先ですし大規模な災害の直後は人の避難場所も不足する中で、ペットを受け入れたくてもその余地が無い場合が多いのでしょう。
それに、避難所の屋内にペットを連れ込むことは、鳴き声などの問題だけでなく、アレルギーを持っている人や人畜共通の感染症のリスクもあり、断水などにより衛生状態が悪いところでは余計に敬遠されがちです。
一方で西日本豪雨の被災地のように猛暑の中の避難生活などで、外にペットを置くのは例え動物といえど熱中症の危険もあります。
具体的にどうしたらいいのでしょう。
正直なところ地域による事情の違いがあり難しい問題です。
ある一例として倉敷市真備町の岡田小学校では、体育館が主な避難場所になっていてそこはペット禁止ですが、これと別にある教室をペット連れの人専用にしたそうです。
つまりペットがいる場所といない場所をわけてどちらも屋内で暮らせるようにしたわけです。真備町に隣接した地区にある穂井田小学校では、豪雨から2週間後にペット同伴者専用の避難所を開設してペット連れの避難者を受け入れました。このようにペット連れとそうでない方を部屋で分けたり避難所自体を分けたりと、互いの妥協点を見つけることができればどちらにとっても悪くないと思います。
獣医師会がペットの一時預かりなどを行ってくれた所もありますが、日頃からいざというときにペットを預けられる先を考えておくなどの備えが必要となります。
お住まいの自治体のハザードマップを見て、避難場所や避難ルートを確認しておきます。そしてその避難所ではペットの受け入れはどうなるか、どんなルールがあるのか、など事前に問い合わせておいた方がいいでしょう。
そして、先ずはご自身でできる方法はないか、手を貸してくれる知人や親せきはどうなのか考えてみましょう。 家族なんですから。
忘れてならないのが、ペット用にも避難時に持ち出すものがあります。
例えばキャリー、クレートなどのてで持ち出しできるハウス。首輪やリード、ペットフードと飲み水も数日分は用意できると理想です。
我が家にも、老犬と老猫がいます。少し離れたところに親類や知人がいて、いざという時は手を借りることもできます。ペットフード(約3週間分くらい)は、大きなポリバケツに入れてあるので後からでもすぐに持ち出せます。
平成30年大阪北部地震の時は、家屋は無事だったものの家の中はめちゃくちゃになり屋根や外壁などにダメージを受けました。
その時は地震の直前から老猫(モモタロウ)の姿はなくその後数時間行方不明でしたが、どうやら1階のクローゼットの中に隠れていたようで無事見つかりました。
老犬は鎖につながっていたのですぐに確認できましたが、猫はどこかに行ってしまうようで・・まあ、仕方ないですね。 人間より避難は迅速なようです。
また周りを汚さないようにペットシーツやトイレ・排泄物の処理用品、必要な薬や消臭・除菌スプレィなどがあればいうことなし。予め袋や箱にまとめておくのがいいでしょう。
自治体によってはペット連れの避難訓練などを実施している所もありますし、平時に避難所までのルートを移動してみるのもいいでしょう。
最後に
動物が嫌いではないが、乳幼児やアレルギーなどでどうしても近くに動物を置いておけない事情のある方なども多数おられます。
結局のところ、やはりお互いの思いやりの気持ちと協調性をもって行動しなければならないという事ですね。
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