家庭用激安小型溶接機SANCHO(交流アーク溶接)を、 交流式から 直流に改造してみる。
ちょっとした溶接ができたら、修理の範囲が広がるのになぁ・・と思ったことはありませんか。
小型交流溶接機テスト
使用した小型溶接機の定格は、次の通りです。
入力:AC100V(20Aブレーカー・通常コンセントから接続)
出力:AC22V(MAX40A)
道具一式を揃えても、一万円でおつりが来ます。
最大で40Aなので、使用中にトランスの温度上昇やアークの具合などで実際はそれより低くなっていると思います。(クランプメーターを持っていないので具体的な数値は分かりません。
暑さ3mmの鉄製アングルを使用します。
こんな感じです。ビードはあまりきれいではない。
裏を見ると、一応熱は通っているみたい・・。
私は溶接初心者なのであまり上手ではありませんが、とりあえずはちゃんと溶けているようです。
アングル同士の溶接でも似たようなもので、くっつきはするのですがアークをいかに安定させるかに気を使います。
次に、刃の部分が柄の根元から、ボッキリと折れてしまったナイフを溶接してみました。
なかなかアークが安定してくれません、この厚みでは結構厳しい。
上手な方なら、もう少しマシかもしれません。
やはりパワーが無いため、きれいな溶接痕ではありません。
とにかく、溶接・研磨を繰り返し、何とか見た目もきれいに修理することができました。
冷却ファンもない小型で安価な溶接機なので、連続溶接で無理をかけるわけにはいきません。
トランスが、かなり熱くなってくるとアークの状態が不安定になるのか、頻繁に溶接棒が材料にくっついてしまいます。
そうなると、トランスがブ~ンと唸りだしさらに過熱してゆくので、すぐに手棒を切り離します。
評価
まあ、薄物の簡単な溶接修理くらいなら十分行けそうです。
因みに、原付のマフラーがエキゾーストの根元あたりで折れていたものを溶接してみましたが、何とかついたなぁというくらいで間に合わせにはなりますが、強度面では不安が残ります。
直流式に改造してみる
改造部品一式
300v 50Aのダイオードブリッジを2個並列で使用しました。
容量的には1個でも問題ないと思いますが、念のため2個並列でダイオードブリッジの負担を軽減しました。
改造前・・
トランスとブレーカーのみ、実にシンプルですね。
改造後、
改造といっても、トランスの2次側AC22Vの出力ラインに、ダイオードブリッジを2個並列接続しただけです。
容量的には、100Aとなりますので、使用中ショートなどの過負荷で破壊することはないでしょう。
安定化していないので、直流ではあるが脈流のままですね。
これで、アークが安定するのかは疑問ですが・・・。
ついでに、冷却用のファンを取り付けてみました。
早速、溶接をしてみました。
結果、率直に言って 元が40A程度だとあまり変わり映えしません。
少なくとも、60A程度の出力は必要です。
そうなると一時電流(AC100V側)も必要になるため、最低でも30Aは必要ですね。家庭用コンセントではギリギリです。
単相200Vを引いてくるしかないようです。
アウトドア通販 (TOKYO CRAFTS)
総評
AC100Vの小型で安価な溶接機では、ちょっとした薄物の溶接修理が適当ですね。
通販などで、比較的安く入手できる 半自動溶接機で60A(出力)以上で使用するのがよいと思います。
最近は高性能で2万円以下のものが販売されていますね。
直流インバーター式で、100V・200V両用のものがよいと思います。
ホームセンターでも取り扱いはありますが、あまり品数はないようです。
ネットショップや、Amazonなどで調べてみると種類がたくさんあり助かります。
私が今密かに(かみさんになんて言おうか)考えているのが、100V/ 200V兼用、半自動・アーク両用の溶接機です。
インバーター溶接機
その際は、単独のラインで30Aのブレーカーを使用しなければなりません。
出力を60A以上出し他場合は、短時間でブレーカーが落ちますので休み休みのんびりと使うのが一番だと思います。
そして、できることなら 単相200Vを溶接専用で引くことをお勧めします。
結構余裕ができますからね・・・。
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