小型の激安溶接機は使えるのか?

小型の激安溶接機は使えるのか?

一万円以下で購入できる 小型の家庭用溶接機で、溶接してみた。 ん? 思ったより使えそうだった・・・。

一番安い家庭用小型交流溶接機は、ネット通販などでいくつか見ることができますね。

たいていの場合YouTubeなどでレビューされているものは2万円から5万円程度のものが数多く紹介されていますが、溶接に多少の興味がある、ちょっとやってみたいと考えながらも躊躇している方も結構いるんじゃないでしょうか。

アマゾンで一万円程度の簡易タイプ

そこで、今回は家庭用コンセントで手軽に使えるもので実際に溶接してみたいと思います。

一万円でおつりが来る溶接機

定格は、入力がAC100V 15A(電子レンジ程度)の電力で、一般的な延長コード(定格15A)を使用してもいいような簡易タイプの溶接機です。

実際に使ってみるのは、下の写真にあるもので、ヤフオクで数千円で入手しました。

サンチョ 小型アーク溶接機 SKH-40BX 100V 60Hz ホームアーク溶接機 ・本体サイズ:約W12×D18×H21cm

サンチョ 小型アーク溶接機 SKH-40BX 100V 60Hz ホームアーク溶接機 ・本体サイズ:約W12×D18×H21cm  二次出力22V 40A(負荷時)調整不可

出力電流の調整もできない固定式で、溶接棒のサイズで微調整するようなものです。(中身はトランスとブレーカーのみ、とてもシンプルです。)

 

その前に、初めての方のための注意点を少しだけお話しします。

そもそもアーク放電てなんだ?

アーク放電は放電の一形態

そもそも放電とは+と-の電極間にかかる電位差によって、その間に存在する気体に絶縁破壊(導体間の絶縁の破壊)が生じることで電子が放出され、光、音を伴い電流が流れる現象のことを指します。

放電といってもいつか形態があり、火花放電コロナ放電グロー放電アーク放電に分類されています。それぞれの放電形態については後に紹介していくとし、今回はこの中でも特有の音を放ち事故事例もあるアーク放電についてを紹介します。

アーク・プラズマ加熱の原理

アーク放電の一般的な定義は、「気体あるいは電極物質上記の最低電離電圧もしくは最低励起電圧程度の陰極効果電圧を有する期待あるいは上記中の電極間放電で、さらに放電は持続されていて、その電流によって陰極の電子放出の機構が支えられている」となるそうです。

アーク放電はまたの名を電弧放電(でんこほうでん)と呼びます。なぜアーク放電は電弧と呼ばれるのかというと、初期の放電灯で電極間にできた輝く部分が円弧になっていることからアーク放電とされています。アーク放電は低電圧、高電流の状態で発生します。(この高電流がきわめてきけんなのです。)

電極間の気体中に強い電界を印加(電気回路に電源や別の回路から電圧や信号を与える事)すると、もともと気体中にあった電子が加速され、気体中の中性粒子と衝突して電離を繰り返すうちに荷電粒子が急増することでやがて電極間に電流が流れます。つまり電離によりイオン化が起き、プラズマを生成し、その中を電流が流れます。

膨大な中性粒子が電極間にあるために拡散が非常に小さく、電流が狭い通路に集中した結果アーク放電へといたります。

狭い通路に電流が集中し、電子と中性粒子、イオンとの衝突、中性粒子間の頻繁な衝突によって電気エネルギーが熱エネルギー、光エネルギーに変化し、アーク(通電経路)の温度は5000°C以上の高温になるのです。このときの空間では気体が励起状態になります。

 

事故の発生

機器の誤操作や不適切な安全手順、工具落下などでもアーク放電は起きてしまうこともあります。非常に多量のエネルギーが放出されときに衣服を燃やし、皮膚を焼くことがあります。

最悪の場合、命に係わる事故に発展するため非常に危険性を伴いますので 十分な注意が必要です。

必要なもの

使用するのは、以下の通りです。

・溶接機本体

 

定格使用率5%とかなり低い

ホルダ側ケーブル    アース付ケーブル   

 

 

・遮光面

 

暗転切り替え時間と暗さの調整用つまみがついています。バッテリーは、ソーラー充電式。

 

遮光面は、付属の手持ち面より頭からかぶる自動暗転タイプのほうがいいように思います。両手が使えることと、放電直前まで溶接材がしっかりと視認できるからです。 アマゾンなどでも千数百円程度から数万円のものまでありますが、DIY程度ですから安いもので十分です。 ちなみに私が使用しているのは、アマゾンで1200円でした。

 

・ 溶接棒

購入した溶接機に、使用する溶接棒の規格が表記されています。 私の場合は、1.4mmと1.6mmを使っています。200gで800円程度ですね。

主に、1.4mmと1.6mmを使用

溶接棒( 鋼の心線 )の表面に付着しているフラックス(被覆剤)がアークの集中性と安定性を良くし保護ガスを発生し、大気中から酸素や窒素の侵入を防ぐため安定した放電が持続します。

溶接棒が母材にくっついてしまったときは手早く引き離します。そのままのしておくと溶接棒が真っ赤に焼けてしまいフラックスも焼けてしまうのでその溶接棒はもう使えません。(放電しにくくなります。)

・安全手袋

初めのころは、恐々皮手袋をしていましたが、安全に配慮さえしていれば一般的な作業用手袋(てのひらにゴム)でも大丈夫です。

・溶接場所

火花が飛び散るので周りには可燃物を置かないようにしましょう。 (間違っても水をぶっかけないように。)

地面はコンクリートかアスファルト、適度な高さの作業台があればよいのですがない場合は、自身の体勢や母材(溶接したいもの)などしっかりと安定させてから作業に取り掛かります。

 

 

母材は厚さ3mmのL型アングルです。

先ずは、1.6mm溶接棒を使います。 きれいなアークを発生させるのにちょっと手間取りましたが、いったん放電が始まればしめたもので調子に乗ってジグザグ走行してみました。

1.6mmの溶接棒を使用。

ジグザグに走らせてみました、ビードの形が悪いのは私がただ単にへたくそなだけです。 裏側の溶け込みもしっかりしていました。

 

 次に、1.4mmの溶接棒です。

1.4mmの溶接棒を使用

長穴の上の溶接は正直いって失敗しましたが、下側の溶接を見ていただくとしっかりと溶け込んでいるのがわかります。

あとは、私が腕を上げれば何とかなりそうですね。

3mmのL型アングルはこの製品のメーカー推奨値を少し超えていますが何とかなるようです。

 

因みに、キャンプで使用中に真っ二つに折れてしまったナイフを溶接してみました。

折れた状態の写真はありませんが、鍔の部分から破断したように折れていました。

サンダーをかけた後、凹凸を埋めながら溶接・肉盛りしてみました。

きったない溶接だな。

もっと練習がいりますね、容量の大きな溶接機ならもう少しましかも・・・。

表面にサンダーをかけ、鍔の部分を整形してみました。

皆さんは素足にサンダル履きで溶接はしないでくださいね、熱いですよ。

グリップを取り付けて刃を研ぎ完成?です。 ハンマーでたたいても折れませんでしたよ。

 

最近は溶接が流行っているのか、100V/200V兼用 手棒溶接 アーク溶接 直流インバーター 式で一万円ちょっとという製品もありますが、レビューなどを見てよく検討してください。

使用率オーバー防止機能 付の製品もありますが、もともと激安小型の溶接機ですから連続溶接には向いていません。

溶接棒を1~2本使用したら、少し休憩を挟むくらいが丁度いいと思います。

手棒(一般的にアーク溶接の事を言う)の場合はやはり慣れが必要で、はじめのうちはアークを安定させるのに苦労するかもしれません。

それに比べて、半自動溶接機といわれるものは心線を自動で送り出すので溶接棒がくっついてしまうということがなく、こちらの方が初心者向けかもしれませんが値段は2万円オーバーとなります。(最近、2万円を切っているものもいくつかあります)

HBM-1200

私が密かに欲しいと思っている半自動溶接機です。 2万円とちょっとです、いずれにしても、お試し価格とはいきませんよね。

どのクラスの溶接機を購入しようか迷っている方、結局は使用頻度がどれくらいあるかだと思いますよ。

いったん溶接を覚えるとやりたいことがいろいろ出てくるもので、バイクの修理(車体やマフラーなど)これから頻繁に使いたいと思っているので2万円オーバーの上の写真にある半自動で100V/200V兼用タイプを購入したいと考えています。

それまでにもう少し腕を上げておかねば・・・。

交流溶接より直流アーク溶接の方が使いやすいと聞きましたので、今手持ちの簡易タイプのSANCHOを直流化してみたいと思います。

次回に また・・・。

 

自由気ままに生きるということ・・ (60歳からは自分のための人生を生きよう!)