車のボンネットを開けたところ、バッテリーのマイナス端子が白い粉を吹いて塊になっていました。一体これは何なのでしょうか。腐食や錆の進行とも関連性があり、放置すればバッテリー劣化につながる白い粉発生の原因と防止策。
車やバイクをいじっていると、必ず1回や2回は見たことがありますよね。
充電式のカーバッテリーを使用しているもの、車のボンネット等を開けて見ると、バッテリーの端子部分に青白い粉がついている場合があります。
開拓で使用している ミニユンボ のバッテリーも、セルの周りが怪しくなってきたので交換しましたが、 あの白い粉ってどこからくるのだろうか・・。
お清めの為の盛り塩でもしている?
それ面白いですけど、のんきにしている場合ではありませんよ。
掃除しなきゃいけないの? 面倒くさいなぁ!
端子が白い粉を吹いている状態を「サルフェーション」と呼びます。
サルフ(sulf-)とは「硫酸塩」のことで、それが結晶化して端子に付着しているのです。
これが端子に付着しているということは、バッテリー内部の電極板にも同様に付着しています。
サルフェーションは絶縁物質なので、これが起きると電気の流れが悪くなります。したがってバッテリーの性能が低下し、寿命も短くなってしまいます。
この粉を放置すると端子等の腐食が急速に進み、そのうち接続不良によりエンジンが始動出来なくなりますよ。
AIさんの言う通り!
こうなった場合は清掃と防錆処理を行うことが必要ですが、この粉は有毒であるため作業には注意が必要です。
主な原因を挙げてみましょう。
バッテリー端子根元の隙間から、バッテリー液やガスが漏れる
バッテリー端子根元の隙間から、バッテリー液やガスが漏れることで起こったりもします。
それが結晶化したもので、プラスチック部分と鉛部分では熱膨張率が異なるため、経年変化で隙間が生じバッテリー内から漏れ出した物質が錆(サビ)や腐食(ふしょく)を発生させます、そうなるとバッテリーの性能が急激に下がってしまうことで電気の流れが悪くなったり、充電しにくくなったりと、おまけに蓄電量(蓄電能力)も下ります。
対処法としては、端子の隙間ができないようにしてガスや液体の漏れをシャットアウトするのが一番です。市販品でターミナルガードという製品があります。
フエルト生地に高性能オイルが染みこませてあるんですよ。
カンタンに言うと、バッテリーとバッテリーターミナルの間に挟んで、隙間を埋めるカバーのようなものです。横方向から挟めます。だからターミナルを外して、メモリーが飛ぶ心配などもいりません。
・接続端子が緩んでいる
見た目しっかり取り付けてあっても、取付ナット等に僅かな緩みがある。
エンジンの振動などでターミナルが緩んでいたり、固定ボルトとナットが緩かったりしていませんか?
バッテリー端子は、わずかですが円錐型になっています。
ナットの緩みや振動でターミナルの位置がずれると、端子との接触抵抗が上がります。
・バッテリー液が入りすぎている
バッテリー液を補充した際にアッパーレベルを超えて補充してしまったりしていませんか。
基準線をわずかに超えるくらいで十分です。
・過充電状態である
滅多にあることではありませんが、何等かの異常(機械的故障か、バッテリーが古い)で過充電状態である。
・過負荷状態である
電装系の変更により消費電力が大きすぎるため、常に充電不足状態になっている。
サルフェーションは、バッテリーが放電する際に発生します。
ついついやってしまいがちですね、あれやこれやと電装品をつけすぎていませんか? シガーソケットがたこ足になったりとか・・。必要最小限を心がけましょう。
端子のサルフェーションは、端子に薄くグリスを塗っておけば、ある程度は抑えられます。厚塗りするとグリス自体が絶縁体になってしまうので、あくまでも薄く塗るようにしてください。
・バッテリーの寿命である
バッテリーの交換を行う。行わないにしても、粉を放置すると腐食が進むため清掃防錆処理なども必要です。
バッテリーが寿命(3年以上経過していれば)を交換を検討することも必要ですが、使用上不具合がなければ清掃と防錆のみでしばらくは使用できます。
その場合は、定期的に状態を確認するようにしましょう。
バッテリー交換、判断の目安
・エンジンの始動に問題ない。(エンジンがかかり難いということがなく、セル一発で始動する)
・端子以外から粉の発生は見られない。
・バッテリー液の減り方に偏りがない。(各セルの液量が比較的均一である)
以上にあてはまるようであれば、今すぐにバッテリーを交換する必要はありません。
” しばらく注視中 ” ・・ということです。
まずは、バッテリーとターミナル付近をきれいにしよう。
お湯による洗浄
やかんのお湯(40℃~60℃)をかけて粉を洗い落します。お湯で行うことで融解し、簡単に除去できますが、バッテリー上部にお湯がたまりすぎて両端子がショートしないように注意します。
心配な方は、ターミナルを少しづつ上下にずらしながらブラシでこすり取ります。
完全に外してしまうと電子部品などのメモリーがリセットされてしまいますので、安全のためリード線などでターミナルとバッテリー端子をあらかじめつないでおくのもいいでしょうね。
錆び取り
粉が周囲に飛び散って錆を広げたりしている場合は、その部分の錆取りをしておきます。
金属ブラシを用いて錆取りを行いますが、粉等を直接触らないようゴム手袋を使用しましょう。
有害物質ですから、目に入ったり吸い込んだりしないように注意します。
バッテリーの受け皿にお湯が溜まっている場合は外して受け皿を掃除します。
バッテリー下のフレームの腐食
バッテリーの下部にあるフレームなどにも腐食が発生している時は、金属ブラシで錆び取りを行い
粉と錆を除去した後、防錆処理を行います。
防錆処理をした後は、必ずと塗装を忘れずに! 温度の高い部分には耐熱塗料を使用します。
まとめ
バッテリー交換は、それなりに費用の掛かるものです。
本体もそこそこ高額ですし、依頼すれば作業費も請求されます。
ご自身でがんばってやってみるのは大いに結構なことですが、安全面には注意が必要です。
・端子部に発生した粉を最初からブラシで除去すると、粉が飛散し吸い込む恐れがあることから危険な作業であることを忘れてはなりません。
・危険防止のためには、お湯で洗い流すのは有効です。
軍手等で粉に触れることは危険です。ゴム手袋以外では触らないように注意が必要です。
以上の事に注意をしながら、作業をしましょう。
コメント